6月ともなるとそろそろプール授業が始まったり、市民プールやちょっと遠くの大きなプールに旅行に行ったりしますよね。
子供たちは楽しみにしている子も多いのではないでしょうか?
毎年、プールのあとに腹痛を訴える子供さんが出てくることもあります。
その原因はなんでしょうか?
プールの水を飲んだことが原因なら、それってO157みたいな大腸菌感染症っていうこと?!
プールに入った際に水を飲んだことが原因で腹痛が起こるのか、予防法はあるのか。
安心してプールを利用するためのあれこれをみていきましょう!
check!赤ちゃんがプールの水を飲んでしまった場合は
プールの水を飲んだことで腹痛が起こる?誤って飲んでしまっても大丈夫?
プールの塩分濃度について、厚生労働省の指導では
「0.4mg/L以上であること。また、1.0mg/L以下であることが望ましい。」
となっています。
学校でもこれに準じて消毒がされているかと思いますが、この塩素濃度というのは水道水のそれとほぼ同じです。
え、でも待って?
プールの水はあんなに塩素臭いけど、水道水はそんなことありませんね?
プールの方がもっと塩素が入っているんじゃないの?
実はプールの水の塩素臭さは塩素そのものの臭いではなく、プールに入った人の汗や汚れと塩素が化学反応を起こして出るために発生する臭いなんです。
つまり、誰も入っていないプールでは匂わない、匂うプールは汚れていた、ということになりますね。
心配しないでください。
消毒をしたからその匂いがたっているということは、消毒は正しくなされているということです。
そう考えると積極的に飲んでいいものではなさそうですが、多少口に入ったところで大騒ぎするようなものでもないということですね。
では、なぜ子供たちは腹痛を訴えたのでしょう?
プールの水を飲むと腹痛が起こる原因…腹痛が起きない為の対策はある?
腹痛の原因として考えられるのは
- ①冷え
- ②水の飲みすぎ
- ③ストレス
- ④プール熱
- ⑤クリプト症
などが考えられます。
1.冷え
プールの授業は暑い時期に行われますが、シャワーを浴びただけでも体は冷えます。
そして、動き出すまでに時間がかかるとその間にどんどん体は冷えていきます。
それが原因で腹痛が起こるわけですね。
対策としては、
- プールサイドにタオルを用意して、少しでも上がったときには体を包んで冷やさないようにする
- 水を飲んだ際にはカイロなどを用意させ、プールから出たら腹部を暖めるようにする
などを行うと楽になると思います。
2.水の飲みすぎ
子供たちはプールに夢中になると、自分が水を飲み込んでいることにも気がつかないようです。
ふざけて飲み込んでいる子供さんもいるんでしょうか?
結構な量の水を一度に飲んだら、汚れた水ではなかったとしても、それはお腹も痛くなりますよね!
これに関しては地道に注意していくしかないでしょうか?
3.ストレス
プール授業が苦手な子供さんは、授業前後になると腹痛を訴えるケースもあるそうです。
プールに慣れて少しでも泳げるようになればなくなってくるのですが、学期中に間に合わないほど毎時間お腹が痛いようでは、本人のストレスははかり知れません。
ご家庭と相談して、見学という方法も考えていかなければいけませんね。
4.プール熱
プール熱は、プールだけが感染源ではありません。
プールの水や感染者と同じタオルの利用、くしゃみや咳を介して「アデノウイルス」に感染。
発症すると主な症状としては結膜炎、咽頭痛、発熱などがみられます。
なかには下痢や腹痛を訴える場合もあります。
ただし、潜伏期間は5~7日。
すぐに症状が出るものではないので、プールのあとすぐに痛くなる場合にはプール熱ではないのかもしれません。
5.クリプト症
クリプト症は「クリプトスポリジウム」という寄生虫が原因の食中毒です。
日本でもプールの水を介して集団感染した例が報告されています。
しかしこちらも潜伏期間が3~6日となっていますので、プールのあとすぐにということは考えにくいかもしれません。
ただしこのクリプトスポリジウムは、塩素殺菌では死滅しないことがわかっています。
プール利用者のなかに保菌者がいた場合はこの限りではありません。
プールの水を飲んだら腹痛になるのか?まとめ
楽しいばかりと思われたプールも、なかなか気を使う時間なんですね。
様々な感染から子供たちを守るため、プールから上がったあとには目をしっかり洗い、シャワーでからだの表面を良く流す、うがいをする。
夏でも羽織るものやカイロなどをもってくる。
水は飲まない!などを指導すると、腹痛のリスクは減ってくるはずです。
できれば季節の楽しい思い出として、子供たちには残ってほしいですよね!
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